子どもの歯と大人の歯の違いについて
私たちの歯は大きく2つに分けることができます。それは子どもの歯である「乳歯(にゅうし)」と大人の歯である「永久歯(えいきゅうし)」の2つです。これらにはいろいろな点に違いが見られることから、オーラルケアにおいても注意すべき点がいくつかあります。
▼乳歯はいずれ抜け落ちるもの
乳歯というのは、生後半年くらいから生え始め、3歳には生えそろうのが一般的です。その後、6歳くらいになると永久歯との交換が始まり、やがてはすべて抜け落ちます。ですから、永久歯とは違って一生使い続ける歯ではないのです。そこで注意しなければならないのが「どうせ抜け落ちる歯だから」と乳歯を軽く扱ってしまうことです。
確かに乳歯は、どんなに大切にケアしても、時期がくれば抜け落ちてしまうものです。けれども、乳歯列期に異常が生じると、永久歯列にまで悪影響が及ぶことが多々あります。それだけに、乳歯のむし歯は放置しないようにしましょう。
▼乳歯はむし歯になりやすい
乳歯と永久歯を比較すると、むし歯の発症リスクに大きな違いが見られます。乳歯は永久歯よりも明らかにむし歯なりやすいのです。これは乳歯と永久歯の構造の違いに由来しています。例えば、歯の表面を覆っているエナメル質の厚みというのは、乳歯の場合、永久歯の半分しかありません。その下を覆っている象牙質も同じです。さらに、乳歯の歯質は永久歯よりも未成熟であることから、むし歯菌の酸に溶かされやすい傾向にあります。こういった構造の違いから、乳歯の方がむし歯の発症リスクが高くなっているといえます。
▼永久歯の発育を邪魔することがある
乳歯のすぐ下には、次に生えてくる永久歯が控えています。歯医者さんでレントゲンを撮影することで確認することができます。そうした位置関係から、乳歯に何らかの異常が生じると、すぐ下の永久歯にまで悪影響が及び得るのです。わかりやすいのがむし歯ですよね。乳歯がむし歯になり重症化すると、根っこの先に病変が広がります。その結果、永久歯がむし歯なったり、エナメル質の石灰化を邪魔したりすることがあります。つまり、乳歯のむし歯を放置すると、まだ生えてきていない永久歯をボロボロにしてしまうことがあるのです。これはとても残念なことですよね。
▼まとめ
このように、子どもの歯と大人の歯には、いろいろな点に違いがあるということを知っておきましょう。その上で、毎日のオーラルケアをしっかり行い、むし歯予防に努めることが大切です。